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Teatulia ティトゥーリア 農薬、化学肥料にたよらないサステイナブルな紅茶

人と自然と地球の現在、そして未来の幸せを願う紅茶Teatuliaティトゥーリアをご紹介します。

バングラデシュ(旧東パキスタン)は、インドの東側に位置し、南はベンガル湾に接しています。国土のほとんどはデルタ地帯で、沼地とジャングルの多い低地です。バングラデシュの土壌は肥沃で水に恵まれ、水田耕作に適していますが、度々襲うモンスーンにより河川の氾濫がおこり、大きな被害をもたらします。
気候は熱帯性で、夏季は高温多湿、6月から10月にかけて発生するモンスーンにより森林破壊、土壌劣化などの被害が発生します。

こういった地理的、気候的要因に加え、天然資源の不足や効率の悪いエネルギー利用、汚職や内部争いなど政治的要因によって、バングラデシュは様々な国の援助を受けているにもかかわらず、貧困を脱しきることができないでいました。しかし最近では、中国に代わる安価な労働力が注目されており、繊維製品を中心に輸出が急増しています。

また、グラミン銀行やNGO団体ブラックによる貧困層への低金利融資「マイクロクレジットシステム」が国際的に注目され評価を得ています。失業者や十分な資金のない起業家、貧困状態にあり銀行から融資を受けられない人々を対象とする少額の融資(ローン、クレジット)です。貧窮にある人々(特に女性)が個人事業に従事し、収入を得て貧困を脱することを可能にさせ、成功をおさめています。

Teatuliaティトゥーリアは、このような背景をもつ国バングラデシュにおいて2000年に誕生した新しい茶園です。地域の名前“Tetulia”から名付けられました。インドのダージリン地方からわずか50km南に位置し、北側はヒマラヤ山脈、南側はブラマプトラ川、ガンジス川に挟まれた未開拓の土地でした。
バングラデシュ紅茶局との協力により、1999年にこの広大な土地の調査と土壌の検査が行われました。その調査により適切な茶樹が選ばれ、良質な苗木を密集させて植えることにより、高い収穫率を誇る健康的な茶畑が完成しました。

ここで行われる農法は自然や地球に大変優しい方法です。
・科学的でない方法で害虫と雑草駆除を行います。
・人間の健康に害を与えない方法を選択します。
・再生できる資源を使います。
・その土地の生態系を崩さないようにします。

Teatuliaティトゥーリアは、お茶を栽培する一方で、自然と社会環境を守り、維持するという精神を大切にしています。自然と闘いながらではなく、養いながら、維持しながら紅茶を作ることです。Teatuliaティトゥーリアの使命は、世界中の人々が喜ぶ美味しい紅茶を生産する一方で、地球や人類にマイナスを残さずに、将来世代まで維持することにあると考えています。コンセプトはサステイナビリティー。お茶を通じて、自然と社会に持続可能な事業を作り出していくことを目標に掲げています。

Teatuliaティトゥーリアがこだわった自然と共生した農法。意外なことにそのスピリッツはある日本人の哲学にありました。自然農法を伝えた福岡正信氏です。それは、不耕起、無肥料、無農薬、無除草を特徴とする自然の力を活かしきるユニークな農業哲学です。少し極端に表現すると、自然が自らの力を最大限に発揮できるよう、人間が最小限の力をもって助けることで、最大の収穫をあげようとするものです。自然を生かすために人間がへとへとになっては困るし、収穫量が少なければ生きていけない。自然にとっても人間にとっても将来まで持続可能な農業を探求した彼の哲学に影響を受けています。

農薬や化学肥料を用いない農法では、収穫量が激減する、風味が劣るという評価がしばしばされてきましたが、このTeatuliaティトゥーリアの紅茶に関してはそれが当てはまりません。農薬、化学肥料使用茶園からの転換ではなく、未開拓の土地に新たに生態系を崩さない方法で植樹したことで、その土壌の恩恵を最大限に受けることが可能となり、質の高い紅茶を大量に生産することが可能となりました。
Teatuliaティトゥーリアは、私達日本人と同じ自然を大切にする心をもって作られたお茶といえるでしょう。

食品に見境なく科学的なものを使用することは人間の健康に害を与えるだけでなく、自然や地球に取り返しのつかないダメージを与えることになると考え、農薬を使わない代わりに、茶畑には薬用のシェイドツリー(日よけ用樹木)が植えられています。日よけだけでなく、害虫から茶の樹を守る目的があります。それだけではなく、シェイドツリーからハーバルサプリメントや化粧品を作ることも可能なのです。代表的なシェイドツリーである二―ムは、人間が飲んだり体に塗っても無害で、インドでは古代からガンの予防や皮膚病の予防に用いられてきました。

肥料は化学肥料を使わず、牛糞を使います。それを得るために2000頭もの牛を飼育しています。同時に牛糞からバイオガスを作り、燃料として使います。また、牛から搾乳したミルクを使ってバター、チーズ、ミルク菓子などを作り、ダッカなどの都市で展開するスーパーマーケットで販売も行っています。牛に食べさせる穀物や野菜も無農薬で生産し、販売も行います。生産から流通までを管理し、資源や製品を無駄にしないようコントロールしています。

草を育てて乳牛を養い、人が牛乳から栄養を得る。牛糞が肥料として使用され、美味しいお茶ができる。茶園でお茶を飲むのにし尿から作られたバイオガスで湯を沸かす。美味しいお茶を販売し、多くの人に満足を与え、茶園や労働者に利益をもたらす。もたらされた利益で再び草を育ててゆく。循環型、持続可能な事業を実現しています。
Teatuliaティトゥーリアは、周辺の社会的環境に配慮することが、自然環境に配慮することと同じくらい重要なことだと当初から考えていました。経済活動だけでなく、広範囲にわたる社会的活動を通じて、従業員と周辺の人々をサポートしたいと考えていました。その活動は、コミュニティーの今のニーズと将来のニーズをともに満たすよう考案されました。

そのためにまず生活協同組合を設立し、画期的な教育、健康、牛の貸付プログラムを開始しました。
まずTeatuliaティトゥーリアの生活協同組合は搾乳場に注目した革新的な方法でスタートしました。生活協同組合のメンバーは乳牛を借り受け、現金ではなくミルクと牛糞をもって返済する方法です。毎日たった1リットルの牛乳をおさめればよく、残りは子供や子牛のために使うことができました。
また、毎日10~20kgの牛糞をおさめればよく、残りは自由に使うことができました。

この簡単な物々交換の返済方法は、現金による返済より重圧が少なく、有名なバングラデシュの「マイクロクレジットシステム」にも匹敵するような実用的なシステムとなりました。
多くのメンバーは2,3年の間に返済を完了し、牛を自分のものにすることができました。さらに良いことには、親牛が産んだ子牛を得ることができ、牛による富が2倍にも3倍にも増えていくのです。
同様の仕組みは茶樹の苗木の販売という形でも行われており、農家が育てたフレッシュリーフを組合が買い上げ、現金収入を得ていくことができるようになりました。

その他の社会活動についても紹介しておきます。
教師や専門職など影響力のある近隣の村人を招き、無農薬で化学肥料を使用しない農法を教えています。その方法の利点と科学的なものを使用することの不利な点、それらが我々にもたらす長期にわたる社会的、経済的影響を教えています。
また衛生的なトイレは公衆衛生にとって不可欠なものと考え、茶園の従業員と貧しい周辺の村人のために安全で清潔なトイレを無償で用意しました。

ニームなどの薬用植物を育て、周辺の人々の健康管理のために無償で提供しています。

若者や子供たちがアウトドアスポーツを楽しめるよう、フットボールやバレーボール、クリケットの道具を学校やクラブに無償で提供しています。

また、読み書きのできない従業員に毎日1時間、仕事が終わった後に教育をしたり、IT教育を施すためにコンピューター教室も開催しています。

このように現在ではTeatuliaティトゥーリアの生活協同組合はその活動領域を教育や健康のジャンルにまで広げ、地域の人々の生活を豊かにしています。

この地で自然の摂理にしたがい大切にはぐくまれてきた茶樹からは、芳醇な香りとなめらかなコクをもつ、ダイナミックなテイストの紅茶が出来上がります。
CTC製法でティーバッグ用の小さな茶葉に加工することが多いですが、オーソドックス製法で新芽をたくさん含んだ美しい外観のリーフティーを製造することもできます。その味わいは上質なアッサムティーのようにコクとまろやかさがあり、さらにダージリンティーのような香味をあわせもっています。渋味を包み込むような甘さがあり、苦い紅茶が苦手な方にも好まれます。

Teatuliaティトゥーリアのお茶はスピリッツを持つお茶です。一過性のブームやイメージだけではない、未来につながる持続可能をコンセプトとした自然とからだに優しいお茶。
たとえそのストーリーを知らなくても、口に含んだ途端、誰もが素直に美味しいと感じて笑顔になるハッピーな紅茶、それがTeatuliaティトゥーリアなのです。

デコラージュでは、Teatuliaティトゥーリアと同じ想いで、未来へ続く笑顔を広げていきたいと願っています。
茶園の環境、工場、生産量やグレード、収穫シーズンなど様々な情報をこのレポートでお知らせしていきたいと思っています。